最近、とある方の考え方に触れて、スコ〜ンと胸のつかえが取れるような清々しさを感じることがありました。その方は、もともとサラリーマンでしたが、色々ご苦労され、どん底の時に知り合ったコーチに救われ、そのコーチのためだけに作った個人事業主向けのアプリを自ら開発し、今は何万人もの人に使われるようになっています。
その方は、何人の人に物を売るか、いくらお金を稼ぐか、ではなく、「自分がこれを欲しい人に提供したいというものを本気で作って、それを本当に欲しい人が喜ぶようにする事が大切であり、それが一人であっても、心から喜んでくれたらそれは自分のビジネスの成功なのだ」という考えでした。
私が清々しいと感じたのは、自分が自分らしくあるためには、どう在りたいか、という事がとても明快に言葉にされていたからだと思います。
私たちは一人では生きていけませんから、人との関わりは必須。人の事は気になるし、人からどう思われるかも気になってしまいますよね。情報が溢れて、自分を取り巻く環境も変わっていく中で、自分の軸をしっかり持つことは簡単ではありません。この方がその「在り方」に行き着くまでには、失敗経験もあったそうで、その上で出てきた言葉だからこそ響いたのでしょう。
たまたま読んでいたこの本にも、同じような例が載っていました。
とある田舎町で色々なイベントを開催する青年がいて、口コミでどんどん参加者が増えていきます。もともとはその青年が若い時に人生に迷い、その地の歴史資料館で先人の生き方に触れたことで、自分の軸を見つけることができたことがきっかけで始まったイベントでしたが、参加人数が増え、規模が大きくなるにつれて、「先人の生き方に学び、感謝を捧げ、未来を紡いでいく」という目的が薄れてしまっていました。青年は迷いましたが、人数を制限して行うようになった、という話です。
ビジネス拡大や収益の観点からはマイナスでも、自分の軸を守ったことで、青年はより幸福感を味わうことができたのだと思います。
何を大切にして生きるのか、という自分の軸を守ろうとすると、時には人が離れていくこともあり、お金の入りが減ってしまうこともあります。場合によっては出世が遠のくかもしれません。
それでも、自分の軸に沿って生きることができれば、自分の考えに心から共感する人が周りに集まるようになり、本当にやりたい事ができるようになる。
そして何よりそのように行動する自分を認められることで、自分を誇れる人生が送れる。
もちろん程度の問題もあり、こだわりを持ち過ぎるのも危険ですが、今までの常識が常識ではなくなり、外部の環境もどんどん変化している今のような有事にこそ、自分が本当に大切にしたいことを持っていないと、気持ちが揺らいで漂流しそうになってしまいます。
逆にそれさえしっかり持っていれば、社会の、世間の目ではなく、自分の目で見て判断でき、それ以外の事には柔軟に対応できる、ということでもあります。
企業でも、企業方針、行動指針が明確で、社員にそれが行きわたっている会社は、厳しい局面でも乗り切れる傾向があると言います。
自分の行動指針、羅針盤は思いつきでできるわけではありません。日々自分と本気で向き合い、まずは言語化して、それを他人との関わり合いの中で、自分が確信するまで煮詰めていく、そんな作業なのかと思います。
この本を読んで、改めてその作業をしたくなりました。
今日はこの曲と共に♪
平井 大 / 題名のない今日
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2月のテーマは「しなやかなマインドを育てる」
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